朗読樹を植えよう

砂漠を緑化するために木を植えるように、コミュニケーション不全が蔓延した乾ききった現代社会に朗読樹(ロウドクジュ、下に解説)を植えていくことで、湿度を取りもどしたい。小川のせせらぎの音を取りもどしたい。そういう願いのもとにこの運動をはじめる。

朗読樹はどこにでも植えることができる。家庭、学校、地域社会、職場、路上や喫茶店、ライブハウスなど、人が集まる場所なら植えることが可能。

朗読樹の苗はNPO法人現代朗読協会で育てている。だれもがその苗を受け取り、育てることができる。ただし、苗の育成にはちょっとしたコツが必要。現代朗読協会で苗の育て方を教えている。

いったん苗の育て方を覚えた人は、現代朗読協会から出て自分の決めた場所で苗を育て、また苗の育て方を人に教えて増やすこともできる。

朗読樹の苗を育てて朗読樹を植えてみたいという人、自分も朗読樹の苗を育てて人々に分け与えたいという人は、現代朗読協会が熱烈歓迎している。


 ロウドクジュ(ロウドクジュ ; Reading Tree) 〔オンセイヒョウゲン属〕現代芸術科

北海道から沖縄までの温帯地に広く分布する。ときに海を渡って全世界のあらゆるところに植生する場合もあり。

直生するロウドクという幹を中心に、発声技術、身体法、読解力、聴覚中心の高感受性、想像力、非先入観など、さまざまな機能を持つ枝葉を大きく広げる。広い葉面は光、空気、音、振動、コミュニケーションなど、環境からさまざまなものを吸収し、朗読パフォーマンスという形で還元しつつ、樹体をさらに大きく成長させる。

樹体同士もたがいにコミュニケーションを取りあいつつ、森林様に群生する場合もある。かつては朗読樹は世界に広く繁茂していたが、経済樹、消費社会樹、国家暴力樹、記号樹などの外来樹によって現在は希少種となっている。そのことを危惧し、植樹活動がはじまっている。

(現代朗読協会 代表 水城雄)

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