現代朗読の進化、深化、移行

IMG_0150あるとき、
「私が長年かけて積み上げてきた経験や発見による有用なノウハウを、墓の中まで持っていきたくないので、全部受け渡しておきたいのだ」
といったら、ゼミ生が「ハイハイハイ! 全部渡してください」と元気よく手をあげてくれたのは、大変うれしかった。
で、いま私は本気でそのモードにはいっている。

現代朗読協会は、2001年に自然発生的にできた朗読研究会を母体として、2006年にNPO法人としてスタートしたが、この13年間を振り返ればその内容の変化、進化、深化たるや自分でも驚くほどだ。
まず、私自身が朗読の実演家ではないということで、朗読表現に対して演出という立場から客観的にアプローチできたことが大きい。
もうひとつは、どこの組織、団体ともつながっていない、完全独立系の団体として、その場での実践検証を柱としてノウハウを蓄積してこれた、ということも重要な要素となっている。

いま現代朗読がやっていることの独自性の強いものの特徴としてはいろいろあるが、やはり朗読を「身体表現」ととらえてアプローチしている点だろう。
音楽演奏やダンス、あるいは武術でやっていることまでも取りいれ、朗読表現のトレーニングに用いている。
それらは「自分の外側になにかを積みあげまとっていく」作業とは正反対の、「外側に無意識にまとってしまっているものをそぎ落とし、ただ自分自身になりつづけ、自分の内側にある可能性と自由にアプローチしていく」作業である。

えらく抽象的なことばになってしまったが、そういったことをやっていくための「具体的な」手法を、長年かけてすこしずつ手にいれてきた。
それが現代朗読の進化であり、深化であるといっていい。
これらのノウハウを私はすべて、受け取ってくれる人に伝えきっていきたいと決意している。

(現代朗読協会・主宰 水城ゆう)

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