「朗読とマジックのあるカフェ」ライブレポート
2010年10月24日。あ、息子の誕生日だった。
10時すぎ、羽根木の家へ。けっこう寒い。雨が降りそうだ。丸さんが車ですでに来て、駐車場で待っていてくれた。さっそくいっしょに家の中へ。
ちょっとお茶してから、荷物を積みこみ(といっても今回はたいした荷物はなし)、11時に下北沢〈Com.Cafe 音倉〉へ。関係者は現地集合することになっていて、すでに出演者はみんな来ていた。
まずは照明のセッティング。
今回、照明はまぁやがやってくれることになっていて、その打ち合わせを最初にやる。そのまま照明合わせを兼ねて軽くリハーサル。
途中からマジックの畷さんが来たが、マジックの仕込みがあるので、そのままリハーサルを進行。ただし、照明や立ち位置などは相談しながら。
リハーサルはあっという間に終わる。
あとはのんびり。昼食を食べたり、休んだり。
名古屋のファンキーから、いまから行くという連絡が入る。びっくり。柊麗子といっしょに東京に来ているらしい。うれしい。
14時、開場。
開演1時間前に開場というゆったりしたスケジュールだが、これは店の意向を受けて。開演までゆっくり飲食を楽しんでもらおうということで、ライブカフェならでは。
今回、集客に苦労したのだが、昼の部はそれでもそこそこ来てくれる方が集まった。ほとんどが顔見知りや、出演者の知り合いばかりなので、会場はなごやかな雰囲気に。これはこれでいい感じ。
15時、開演。
今回、当日パンフレットを作らなかったので、この演目の経緯や出演者について私が最初に少ししゃべる。こういうことは珍しい。
そのあと、照明を落とし、演目がスタート。
この内容は、近く、抜粋映像をYouTubeなどで見られるようにする予定。ビデオカメラを丸さんが担当してくれた。あと、iPod touch でもビデオ録画してみた。
終わってから、皆さんと歓談。
いつもいわれることだが、どこまで即興でどこまで取り決めがあるのか、という話になる。多少のきっかけはあるが、基本的に読みはすべて即興。このように読まなければならない、という演出指示はいっさいない。ある程度、こういう読み方がおもしろいのでそれでいこう、という稽古でのイメージ作りはあるが、それも作り込まれたものではなく、その場の雰囲気や出演者同士のコミュニケーションのなかで自在に変化していく。
音楽はもちろん、完全即興である。
というと、たいていの人がびっくりするのだが、むしろ演出的取りきめであんな複雑なことはできないと思うのだが。もしそれをやるとしたら、何ヶ月もみっちり、綿密な段取り稽古をしなければならないだろう。ってなことを、演劇の人たちは普通にやっているのかもしれないが。
取り決めを完全にこなせることを練習するのではなく、どのようにでもやれるように、どんなことにでも対応できるように稽古するのが、現代朗読の方法だ。
昼の部のお客さんが帰り、我々は食事。
毎回、音倉では、まかない飯が出る。これがありがたい。そしておいしいのだ。今回はタイカレーだった。ありがたくいただく。
スケジュールがゆったりしているのはいいが、待ち時間が長い。居眠りしたり、のんびりと夜の部の開場を待つ。
18時、夜の部、開場。
お客さんが少ないので、最初、だれも来なくて、このままだれも来ないのではないかという錯覚に陥るほどだった。私も少し居眠りしてしまった。
夜の部のお客さんがようやく何組かやってきて、にわかににぎやかになった。身内ばかり、というか、よくいえばアットホームな雰囲気のなか、19時、夜の部開演。
昼の部より笑い声がたくさん聞こえたり、マジックとお客さんの交流が楽しかったりと、また違った雰囲気になった。
終わってから歓談。
これもいつもいわれることだが、これだけおもしろい内容なのに、もっとたくさんの人に見てもらいたいね、といわれる。毎回いわれる。つまり、宣伝下手、集客力のなさ、ゆえのことだ。
今後のライブや公演の開催については、根本的な部分から見直したいと思った。つまり、我々はなんのためにライブや公演をやるのか、という本質的な問いからの再スタートだ。
いずれにしても、昨日音倉においでいただいたすべての皆さんには、深く感謝いたします。ほかでは得ることのできない貴重な体験をさせていただきました。皆さんもいくらかでもその体験を共有していただけたら幸いでした。
(演出:水城ゆう)