現代朗読協会、NPO法人認可10年め

IMG_2126世の中の「法人」の制度って、いろいろな法律があって素人にはちょっとわけがわかんない状態になってますが、現代朗読協会は「特定非営利活動法人」という種別で、いわゆるNPO法人です。
2006年3月に東京都の認可を得ました。
なので、この4月からは法人としての活動が10年めにはいるわけです。
よくまあ消えずにここまで残ってこれたものです(感涙)。

朗読の活動団体ですが、他の朗読団体や講座・教室などとはまったく異なるアプローチを提唱していたり、積極的に社会活動をおこなっていたりしたため、当初はだれからも「怪しい」と思われていました。
体験講座にやってきた人が、「家族から無事に帰ってこれるように祈ってるよといわれた」なんてこともありました。
その人はその後、ちゃんと会員になりましたけどね。

怪しくないし、閉鎖的でもない、そのどちらも私は避けたいし、むしろ嫌悪しているということを知ってもらいたくて、せっせとブログやSNS、サイトを通じて情報発信をつづけてきたおかげで、さすがに最近は怪しいと思われなくなってきたようです。
業界内でもある程度の知名度を得るようになったことはありがたいことです。

独特の組織運営の仕組みを現代朗読協会はいくつか持っていますが、なかでも特徴的なものに「ゼミシステム」というものがありました。
朗読表現を継続的に勉強したり、協会とつながっていることを必要と感じている人には、「ゼミ生」というものになってもらいます。
学校でいえば生徒、劇団でいえば団員のようなものですが、ゼミ費にたいして等価交換的なサービス(教育)を提供しているわけではありません。
現代朗読という学びと表現とつながりの場に貢献する気持ちがある人に、ゼミ費という形で協力をお願いしてきたのです。

これはとてもよい仕組みで、長らくうまく機能していたんですが、ゼミ生の総数が減ってきたり、ゼミ生のニーズが変化したりすることで、いくつかうまくいかないことが出てくるようになりました。
よい仕組みを「現状維持」するのは楽だし、簡単なのですが、「現状維持バイアス」という言葉もあるように、じつは目に見えないほどすこしずつ悪化していく現状をただ維持していたのでは、あるときそれが機能不全に陥っていることが顕在化してあわてふためく、あるいは崩壊する、というような事態におちいることがあります。

現状はつねに新鮮な目でチェックし、必要なら掃除し、みがき、ときには思いきってリフォームし、変えていく努力をしたい。

そんなわけで、いま、ゼミシステムを中心とした現代朗読協会全体の運営プログラムの改定に着手しているところです。
もちろん、その目的は、現代朗読協会がよりよい学びの場であり、安心して表現できる場であり、社会に開かれよりよく知られた場になることです。
なかにいる人も外から関わってくれる人も、すべての人が安心して表現の場を楽しみ、学び成長し、お互いに尊重しながら貢献しあえる場を、これからもシェイプアップしつづけていくことが、私の望みです。

(主宰・水城ゆう)

 

3月の現代朗読体験講座(3月7日)
朗読をはじめてみようと思っている方、すでにやっているけれど物足りなさや壁を感じている方、その他表現に興味のある方、まずは進化しつづける現代朗読を体験してみませんか。

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