「からだ」から「声」へ。私に出会う表現ワークショップ

6月1日、快晴の羽根木の家で、当ワークショップが開催されました。
気温がぐんぐん上がるなか、古民家の羽根木の家の中はひんやりとした空気で心地よく、庭ではご近所さんたちが和気あいあいと畑仕事を楽しんでいました。

午前の「からだ」編はきくあつさんが講師を務めます。
まずは足の甲のマッサージからスタート。
自分では手加減してしまうから、とペアになって、ごりごりぐりぐり。
痛いのか気持ちいいのか、わからないまま悶絶する人も。
しかし、片足だけやってから畳の上を歩いてみて、左右の感覚の違いに愕然。
わかってからは皆熱心にごりごりぐりぐりやっていました。
140601からだ1今回は初めての開催ということで、参加者には半割れの青竹を特別プレゼント。これで甲のほか、つぼが集まっているという脚の側面やお尻をぐりぐり撫で擦ると、どんどん滞っていたものが流れていく感覚が。
この気持ちよさにもハマる人が続出。以後、休憩時間になると擦っていました。

ふだんやっているストレッチには、筋肉を硬くしてしまうものもあるとか。実際、いつものストレッチがNGだったと知ってショックを受けるシーンも。
脚の裏側を伸ばす方法など、簡単・意外なことで身体がぐっと柔らかくなるのを目の当たりにして、けっこう夢中になって取り組んでいました。

さらに、コンテンポラリーダンスのように、ペアの相手にぶら下がったり巻き付いたりというワークでは、できそうでできなかったり、と思ったらできるようになったり、と自分の身体の可能性に気づかされ、成功すると歓声があがる楽しさがありました。
「こんなことが(自分に)できるの〜?」と皆大喜び。

140601からだ2身体を使い切った感じで心地よい疲れにおそわれ、ランチを前に一休み。
待ちに待ったランチは、真理子シェフによる心尽くしのオーガニックごはん。贅沢に、朱塗りの御膳でいただきます。
まず「食べる瞑想」を10分間。禅寺の修行などで見聞きしていたりもし、また簡単な方法でもありますが、実践は初めて、という人も多く、しかしこれもやるとやらないとでは大違いで、10分過ぎたときは「おいしーい!」が連呼されました。
たっぷり時間をかけ味わい終わると、満足感に浸った一同は、もうこれで終わりでもいい……などと言い出す始末(笑)。
「でもまだおやつがあります! おやつを味わうためにも午後もがんばろう!」
と、気力を振り絞り(?)午後の「声」編に突入。

140601からだ3「声」編の講師は、現代朗読協会代表の水城が務めます。
まず、消化を助けるためにもなる、呼吸法をじっくりと。
丁寧にやると、呼吸法もけっこうな運動になります。
コアマッスルの伸びるのをイメージしたり、身体の響きを感じたり……深く自分の内部にアプローチします。
ここで、一部から「お昼寝タイムをください!」の声。
そこで思い切って15分のお昼寝休憩を設け、皆、思い思いの場で大の字になってお昼寝。
古民家の畳の上で、なんだか小学生のおばあちゃんちの夏休み気分です。
この僅かな時間に熟睡!
驚くほどの爽快感で目覚め、その後は再び元気いっぱいで午後のワークに取り組みました。

今回は「吾輩は猫である」の冒頭を使って、現代朗読エチュードを展開。
そして、「彫刻群読」にとりくみました。
午前にやったワークで得た感覚を活かしながら、「身体彫刻」を作ってみます。いったんほどき、今度は朗読しながらポーズをとって絡み合っていきます。ちょうど読み終わるのに合わせて彫刻を完成させると、妙な達成感が。
身体もだいぶ柔らかくなっているので、崩したりするのもなんだか楽です。
最後、公演でもやった「ワルツとチャチャチャ」にチャレンジ。
今回の参加者のリズム感がもともといいのか、ワークで身体と声のつながりが向上したせいか、なんと一回で、乱れることなく最後まで読み通すことができ、皆で健闘を讃え合いながら終了。

140601からだ4

最後は、またまた待ちに待ったおやつをいただきながら、感想をシェア。
五感をフルに使い切った満足感、至福感、そして心地良い疲れ……「俗世に戻れるかしら……とりあえず無事帰宅できるかしら」と笑いながら、解散しました。

今回、初の試みで、参加者も少なかったのですが、こんなにみっちり詰まったワークショップはめったにないと思える充実感でした。
それに、なんせ楽しいのなんの。まるで小学生に戻ったような、めいっぱい遊んで食べて昼寝して……、文字通り、そんな一日を過ごせました。

きくあつ&水城という、強力なスキルの持ち主ふたりがかりのぜいたくな取り組み、ふたりのスケジュールがなかなか合わないので次の開催は未定ですが、ぜひまた開催してほしい、そしてできるだけたくさんの人に体験して欲しい、と願わずにはいられない、すばらしいプログラムと思います。
「出たかったなあ!」という方は、現代朗読協会まで要望をお寄せくださいね。

(以下、募集時の開催要項)————————–
12696_10202365632445630_5854086100966287279_nコンテンポラリーダンスと現代朗読を同時に体験、作品創りをめざす一日を。
オーガニックランチ付き♡

午前中は、身体を感じる時間。
コンテンポラリーダンスのメソッドを使って、身体の内部の声や自分の筋肉や骨がどう動くのかを観察します。
動きが作品になっていく過程を目の当たりにできます。

ランチはお野菜メインのヘルシーごはん。
食べる瞑想にチャレンジしてみませんか。
安心な食べ物をからだに入れ、のどごしや食感、匂いを丁寧に味わい、自分の中にひそむ「感じる力」を確かめましょう。

午後は、それまでに見つけたからだの発見を通じて、自分の声を探求していきます。
ゆっくりと、じっくりと、衒いのない自分の声を見つけましょう。

料理

楽しくて深い、自分のなかの宇宙をたずねる旅へ、お誘いします。ラストは、今日一日の発見の旅をシェアする時間。
からだと声を自由に使って自分自身を伝える、表現の根本を実体験しましょう。
今度は、ほかの人があなたを発見してくれます。

◎日時 2014年6月1日(日)10:00〜17:00
◎会場 現代朗読協会「羽根木の家」(京王井の頭線新代田駅徒歩2分)
◎参加費 10,000円(オーガニックランチ付き)

◎講師 からだ担当=菊地敦子(コンテンポラリーダンサー、振付家))
こえ担当=水城ゆう(朗読演出家、音楽家、小説家)/野々宮卯妙
ランチ担当=中野真理子(料理人)

 

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