法然院ライブが近づいてきた

あと一週間、来週の月曜日は京都の法然院でライブをおこなう。
現代朗読の野々宮卯妙に、京都在住の琵琶奏者・片山旭星さんと私がシンセサイザーでからむ。
演目は「特殊相対性の女」の予定。
これはその翌週の明大前〈キッド・アイラック・アート・ホール〉での「沈黙の朗読」でも、これは群読をからめた別の形で上演することになっている。

法然院では時々魅力的なイベントがおこなわれていて、参加してみたいと思っていたのだが、まさか自分たちが出演できるようになるとは思わなかった。
片山さんに紹介していただいて、法然院まで挨拶にうかがったところ、このライブの話がとんとんと決まってしまったのだ。

片山さんとはこれもまたおもしろいご縁である。
野々宮の妹の友人で、いまはげろきょの料理人として時々腕をふるってくれているマリコが、高校生のときから片山旭星さんの追っかけをしていて、東京にも自分の主催で呼びたいということを五年くらい前にいいだした。
豪徳寺の音楽スタジオを活動拠点にしていたので、マリコの計画にげろきょも協力することになり、片山旭星さんを京都からお呼びしたのが最初だ。
それ以来、何度かおいでいただいている。
昨年の秋にも琵琶演奏会を羽根木の家で開催し、終演後の飲み会では楽しい宴会芸を披露してもらったりした。

今回は法然院の方丈の間で、秋の庭をながめながら、暮れゆく日本庭園と寺院建築の光のなかで、朗読と琵琶演奏とシンセサイザーが織りなす音の世界を楽しんでいただこうという趣向だ。
お近くの方、お時間とご都合が許す方は、どうぞゆるりとお越しください。
詳細はこちら

ゼミゼミゼミ

ミンミンゼミの鳴き声がやかましくてお互いの声も聞き取れないほどの晩夏の羽根木の家で、昨日は丸一日、現代朗読ゼミだった。
早朝、未明から雷と豪雨で開催があやぶまれたが、午前9時をすぎると雷雨はおさまり、晴れ間すらのぞく天候に回復してきた。
しかし、やはり交通の心配があったためか、出席予定の何人かが欠席したり、午後に変更したりと、結局朝ゼミにやってきたのはたどるさんひとり。
なんと自転車に乗って涼しい顔でやってきた。
たくましい。

ひとりだったのでゆっくり話を聞くことができた。
げろきょのゼミ生はそれぞれさまざまなニーズがあり、また立場も違うし、朗読表現にたいする気持ちの温度差もある。
ライブを積極的にやりたい人もいるし、ただげろきょに時々参加できるだけで場の安心があるという人もいる。
こういった人のニーズをすべて大切にしたいと私は思っている。

よく、すべての人のニーズを満たすなんて不可能、という発言があるけれど、私はそんなことはないと思っている。
共感的コミュニケーションを用いればそれは可能になる。
なにも精神論を書いているのではない。
コミュニケーションスキルの問題だ。

午後の昼ゼミは4人参加の予定が、ひとり欠席して3人に。
これもまたのんびりやる。

夜ゼミはハングアウトでのネット参加も含めて8人とちょっとにぎやか。
こういうのももちろん楽しい。
本当にさまざまなニーズと個性がある。
しかし、このところの私の方法論は一貫してきているので、どんなケースでもどんと来いという気分だ。
それにしても、すこし学びが進んだゼミ生たちは、ある程度の成功体験をなぞろうとして「たくらみ」がつい表面化してしまい、それが新鮮な表現の驚きにつながらないことが増えてくるので、初心である体認とマインドフルネスにいつも立ちかえるためのエチュードをしっかりやってもらう必要があるかもしれない。
リアルタイム表現はいつもこの瞬間瞬間にあたらしい自分に立ち会える驚きがあることを忘れないようにしたい。
慣れが一番つまらない。

現代朗読協会では現代朗読に興味がある方のために体験講座や基礎コースを用意しているが、スケジュールが合わない方にはゼミの無料見学をいつでも歓迎している。
ご一報の上、見学に来てみてほしい。
見学の申しこみは現代朗読協会事務局「info@roudoku.org」まで。

表現と生きることの自由を得るために「基礎コース」全10回

このところ立てつづけに講座・ワークショップがあり、いろいろな方が私のところにやってきた。
現代朗読の体験講座、音読療法の資格取得講座、共感的コミュニケーションの勉強会やワークショップ、オーディオブックリーダーの講座や個人セッション、演劇と朗読の合同ワークショップなどなど。
いろいろな人がさまざまなニーズを持ってやってくる。
ほとんどが学びのニーズを持ってやってくるのだが、それにこたえるのが私の仕事であり、また喜びでもある。

一見バラバラな内容の講座やワークショップのように見えるが、私のなかではこれらは首尾一貫している。
とくに最近はその一貫性がさらに整い、整理され、迷いがなくなってきている。
すべての講座において力強い確信をもって伝え、学んでもらえているのではないかと感じている。

これらの講座を貫いているのは、「共感」「呼吸・声・身体」「マインドフルネス」というキーワードだ。
自分が自分だと思いこんでいる自我がしがみついている浅はかな企みを捨て、より深い自分自身の自然なありようにすべてを任せていく。
それがすばらしい表現を生みだす。
自分がこうしたい、ああしたいと思っているその欲望は、自分の外側からあたえられ植えつけられたものであることに気づくこと。
そしてすばやくみずからの身体にアクセスし、表現することすべてに全身の細胞で参加してもらうことを妨げないようにする。

現代朗読の方法も日進月歩で進化・深化してきたが、まだまだざっくりしたところがあった。
しかしそれがいま、とても精密な体系になりつつあると感じる。
これを身につけるのは簡単なことではないが、もし身につけられたとき、広々とした自由を見ることになるだろう。
表現の自由とは、生きることの自由と自立・自律を得ることでもある。

今回、それらの方法を体系的に教えるためのカリキュラムを、ある程度整備したいという思いが生まれた。
そこで、これまでにはない全10回という長時間のコースで現代朗読を学んでいただく(私にすればお伝えする)カリキュラムを用意することにした。
それが「現代朗読基礎コース全10回」である。
9月28日スタート、興味のある方はぜひ参加していただきたい。
詳細はこちら

8月のオーディオブック・リーダー養成講座のお知らせ

オーディオブック制作のアイ文庫では、長く聴き継がれるハイクオリティのオーディオブックの制作と、唯一無二の表現者としての読み手の育成をおこなっています。
日程の都合がつかない方は、個人セッションも受け付けていますので、気軽にお問い合わせください。
毎月末におこなっている当講座は、8月のみ9月2日の開催となります。

主催:アイ文庫
協力:現代朗読協会

★次世代オーディオブック・リーダー養成講座
 声優/ナレーター/朗読者のためのステップアップ講座
 申込みはこちら

【概要】
オーディオブックの読みや収録についてのノウハウとトレーニング法を一日で集中講義します。
その後1〜2か月のトレーニング期間をおいて最終収録実習をおこないます。

【詳細】

(1)集中講座
以下の日程で開催される一日集中講義を受講していただきます。
とても居心地のいい世田谷の築78年の古民家で、一日じっくり学んでいただきます。

◎日時 2013年9月2日(月)13:00〜19:00
◎場所 羽根木の家(世田谷区/京王井の頭線新代田駅からゆっくり歩いて4分)
◎受講料 33,000円

※集中講座の日程が合わない方のために、個人セッションも受けつけています。ご都合のよい日時に個別受講が可能です。ご相談ください。

(2)トレーニング

収録用の作品を選び、(1)の内容の習得と(3)にむけての1〜2か月間のトレーニング期間を設けます。
期間中は、メールによる指導と面談(またはスカイプ、希望者のみ)で習得状況をチェックします。質問等も自由です。
理解度や技術レベルによっては現代朗読協会のワークショップに参加していだくこともあります(参加費免除)。

(3)最終収録実習

 アイ文庫のスタジオにて収録実践をおこないます。
 収録後、数日以内に評価結果をご連絡いたします。
 その結果を受けて、

 A) アイ文庫オーディオブックの本収録へと進む
 B) 現代朗読協会での実習を継続(ゼミ生登録)する
 C) 独立して自主制作

 という選択肢をご自分でえらんでいただきます。

【本講座の特徴】
オーディオブックリーダー(朗読者)は、ナレーターでもアナウンサーでもなく、声優でもない、新しい声のジャンルです。
オーディオブックの朗読にチャレンジしてみたいと思っている人が多いなか、その読みや収録についてのノウハウをしっかりとアドバイスしてくれる場所はそう多くありません。
そんななかで、アイ文庫は、今後も長くネットコンテンツとして流通していくに耐えるクオリティを持ったオーディオブックの制作とリーダーの育成にあたっています。
単なる音読コンテンツではなく、「朗読作品」としてのオーディオブックを読める人を育てることが目的です。

文芸朗読、詩曲集、教科書朗読、英語朗読などで業界随一のクオリティと実績を持つアイ文庫のオーディオブック・ディレクターが指導にあたります。
ただ読むだけではない、情報伝達のみにとどまらない、「表現」の域にまで踏みこんだクオリティの高いオーディオブック収録ができるハイレベルなリーダー(朗読者)の育成をめざします。数多くの実践的なノウハウを盛りこんだプログラムで予定しています。

アイ文庫のツイッターも参考にしてください。

サラヴァ東京のオープンマイクイベント、再び

昨日の夜はゼミ生の山田みぞれが出るというので、サラヴァ東京のオープンマイクイベント「ショーケース」にみぞれちゃんのピアノサポートで行ってきた。
先月につづいて2度めとなる。
ところが昨日は、エントリー6組のうち3組がドタキャンしたということで、私も急きょ、みぞれちゃんのサポートとは別にソロピアノ演奏で参加することになった。
お客として遠方はるばる、ゼミ生のアズーが駆けつけてくれた。ありがとう。

午後8時、イベントスタート。
司会が今回から交代するということで、ユニークな爆笑トーク炸裂の男女ペア。
最初にこれまでの司会者だった人とシャンソン歌手の人がそれぞれシャンソンを歌う。
つづいて、オープンマイクにエントリーした人の演奏がはじまった。

ハーモニカと歌(ご高齢の方)、ユニークなオリジナルボイスでの弾き語り、パントマイムのような演劇のような反戦メッセージの女性のソロパフォーマンス(最後はヌードでびっくり)。
みぞれちゃんは前半のステージで、私の「Even If You Are My Enemy」をくれた。
私は即興ピアノ演奏で共演。
大変充実したパフォーマンスをやれたように思う。

ゲストの歌などがあって、私は後半のステージで演奏。
唱歌の「我は海の子」を即興演奏からはいって、最後はなんとなくスローな3拍子になって終わり。
司会の男性が私のピアノをとても気にいってくれたようだ。

このイベントは最後に、司会者やゲストが「この日もっとも心を動かしたパフォーマンス」を相談して決め、アンコール演奏をすることになっているのだが、そのアンコールに私が選ばれてびっくりした。
こういうものは事前に耳打ちくらいされて準備をするのかと思っていたが、本当にステージの最後に発表されて、なんの準備もしていなかったのでちょっとあわてた。
結局、オリジナル曲の「ヒガンバナ」を演奏させてもらった。
最後に選ばれたのも、みなさんにしっかりと聴いていただけたのも、うれしかった。
こういう機会を作ってくれたみぞれちゃんには感謝。

扇田拓也氏との合同ワークショップ、終了

昨日はカトリック下北沢教会のアトリエかまぼこ(元米軍かまぼこ兵舎)で、演劇と朗読のワークショップ「物語と自我」を、扇田拓也くんと合同で開催した。
初めての試みだ。

扇田くんは先日、てがみ座「空のハモニカ」の演出で多くの観客を魅了し喝采をあびたばかりの、新進気鋭の舞台演出家であり、みずからも役者として舞台やテレビに出演することもある人だ。
とても緻密で繊細なステージを作る人で、私の現代朗読の演出とは対極にあるといっていい。
まったくちがう手法と感性を持つふたりだが、何年か前から交流があり、今回、ぜひいっしょにワークショップをやってみよう、ということになったのだ。

午前10時スタート。
アトリエかまぼこは古いけれど落ち着いた空間で、定員20人のワークショップにはゆったりとしてちょうどいい感じ。
今回、ちょっとしたサプライズとして、扇田くんのサポートに「空のハモニカ」で金子みすずを主演した石村みかが駆けつけてくれたことがあって、うれしかった。
彼女も真剣に参加してくれ、ほかの参加者たちにもおおいに刺激になったのではないだろうか。

今回使ったのは、扇田くんも私もともに太宰治の「海」という短いテキストであることがあらかじめ決まっていた。
これを使って、まずふつうに輪読。
それから扇田くんがプランを示して、演劇的にこれをステージ表現に作りあげるにはどうしたらいいか、ふたつのグループに分かれてさっそく実践にはいっていった。

午前中はそれぞれのグループが自分たちがアイディアを出しあって、ステージプランを作る。
ランチ休憩をはさんで、午後はいよいよそのプランの実演作り。
演劇の経験者は少数で、「演じる」ということや演劇的な段取り作りの段階でかなり苦労している感じだった。
とはいえ、みんな楽しそう。

ひととおりそれぞれのグループが「海」を劇作品にしあげたところで、今度は私がそれを現代朗読のエチュードとして発展させながら、最終的にステージ表現にするプロセスを提供した。
演劇とはちがって、即興性のなかでひとりひとりの表現を全体融合させていく現代朗読の方法は、じつにシンプル。
ゼミ生が多かったこともあって、あっという間にステージパフォーマンスができあがってしまった。
ものの30分。

最終的にこの現代朗読の方法を、演劇プランと合体させることができるかどうか、いくつか試行錯誤してみたが、これは大変難しかった。
かんがえてみれば、いきなりこのような挑戦的な試みがうまくいくわけはないのだが、それでも可能性の片鱗と、なにより予期しないことが起こり、生まれつつあるという現場の感覚に、私はわくわくしっぱなしだった。
この試みは機会をつかまえてぜひ第2弾をやってみたいものだ。
扇田くんもきっとそう感じてくれているだろう。

物語と自我――演劇と朗読についての扇田拓也合同ワークショップ

自らも俳優であり、演出家でもある扇田拓也氏と現代朗読演出の水城ゆうが、合同で演劇と朗読のワークショップを開催します。

演劇と朗読の違い、あるいは共通性について興味のある方、そしてそれぞれの現状や先端的な表現に興味がある方には、非常に刺激的なワークショップとなるでしょう。
扇田氏は演劇の最先端の現場から、水城は現代朗読というあたらしいジャンルから、それぞれまったく違ったアプローチの演出方法を取るふたりが、ともに表現についてかんがえ、参加者たちといっしょに身体を動かしながら検証してみようというワークショップです。

◎日時:2013年8月24日(土)10:00-17:00
◎会場:カトリック世田谷教会 アトリエ(旧米軍かまぼこ兵舎)
  世田谷区北沢1丁目45−12
  小田急線/井の頭線 下北沢駅より徒歩6分
◎参加費:8,000円

◎主催:現代朗読協会

※詳細・お申込はこちら
 銀行(ゆうちょ)振込・クレジットカード決済が使えます。

【講師紹介】
扇田拓也。俳優、演出家。1976年、東京都生まれ。

日本大学芸術学部演劇学科中退。在学中に劇団「ヒンドゥー五千回」を旗揚げ。以降、全作品において脚本・演出を担当。多くの場合、自らも出演する。
ダックスープ所属。太鼓とラッパ。てがみ座「空のハモニカ」(脚本/長田育恵 演出/扇田拓也)@京都芸術センター(終了)/8/1〜4@座高円寺。
TVCM KIRIN澄みきり「カップル編」出演中。

水城ゆう。即興ピアニスト、小説家。1957年生まれ。
NPO法人現代朗読協会主宰、現代朗読協会オーガナイザー。
朗読と音楽による即興パフォーマンス活動を1985年から開始。また、1986年には職業作家としてデビューし、多くの商業小説(SF、ミステリー、冒険小説など)を出したが、現在は商業出版に距離を置き、朗読と音楽を中心とした音声表現の活動を軸としている。

音倉・怪談朗読「幽霊滝の第三夜」

2013年8月16日、下北沢のライブカフェ〈Com.Cafe 音倉〉でおこなわれた怪談のオープンマイクに現代朗読協会がゲスト出演しました。
朗読出演は野々宮卯妙、てんトコロ、山田みぞれ、宮本菜穂子、植森ケイ。
ピアノ演奏は水城ゆう。

演目は「幽霊滝の第三夜」。
小泉八雲の「幽霊滝」と夏目漱石「夢十夜」の第三夜を合体させて構成した作品です。

音倉・怪談朗読「幽霊滝の第三夜」

2013年8月16日、下北沢のライブカフェ〈Com.Cafe 音倉〉でおこなわれた怪談のオープンマイクに現代朗読協会がゲスト出演しました。
朗読出演は野々宮卯妙、てんトコロ、山田みぞれ、宮本菜穂子、植森ケイ。
ピアノ演奏は水城ゆう。

演目は「幽霊滝の第三夜」。
小泉八雲の「幽霊滝」と夏目漱石「夢十夜」の第三夜を合体させて構成した作品です。

げろきょネットライブ Vol.11 前半・晩衛/後半・KAT

2013年8月10日、羽根木の家で「げろきょネットライブ Vol.11」をUstream経由で配信しました。
録画が残っていますが、一部音声が欠落しているので、あらためてYouTubeで記録映像を配信します。

前半の朗読は晩衛、作品は知里幸惠「谷地の魔神が自ら歌った謡『ハリツクンナ』。
後半の朗読はKAT、作品は水城ゆう「夏の終わり、遊覧船に乗る」。
キーポード演奏は水城ゆう。

げろきょネットライブ Vol.11 前半・晩衛/後半・KAT

2013年8月10日、羽根木の家で「げろきょネットライブ Vol.11」をUstream経由で配信しました。
録画が残っていますが、一部音声が欠落しているので、あらためてYouTubeで記録映像を配信します。

前半の朗読は晩衛、作品は知里幸惠「谷地の魔神が自ら歌った謡『ハリツクンナ』。
後半の朗読はKAT、作品は水城ゆう「夏の終わり、遊覧船に乗る」。
キーポード演奏は水城ゆう。

音倉・怪談朗読ライブが終わった

昨日は下北沢のライブカフェ〈Com.Cafe 音倉〉でおこなわれた怪談のオープンマイクに現代朗読協会でゲスト出演してきた。

依然としてつづいている猛暑のなか、エアコンのない羽根木の家に出演者一同、午後3時に集合。
出演は野々宮卯妙、てんトコロ、山田みぞれ、宮本菜穂子、植森ケイ、そしてピアノの私。
暑いのにみんな元気。

野々宮とてんがさっそく、「お行儀のよいお朗読と口胡弓の伴奏」のパロディで遊びはじめた。
抱腹絶倒。
とくにてんの口胡弓は音だけ聴いていると下手な胡弓奏者よりよほど本物っぽい。
これ、ライブでやりたいけど、多くの人を怒らせてしまうだろうなあ(笑)。

軽く全体を流して確認。
今回の演目は「幽霊滝の第三夜」という、小泉八雲の「幽霊滝」と夏目漱石「夢十夜」の第三夜を合体させて構成した演目。
結局、今回の演目について、リハーサルは軽く2回のみ。
実質的にほぼぶっつけ本番。

ライブをなめているのではない。
逆で、即興性を大切にしている現代朗読では、リハーサルをやりすぎてなにかをなぞってしまうことを嫌っているからだ。
そのかわり、ひとりひとりは個別にみっちり読みこんだり、日常的に感受性や身体トレーニングを欠かさない。
フリージャズミュージシャンや即興舞踏家のありように近いかもしれない。

午後5時、下北沢の〈Com.Cafe 音倉〉にぞろぞろと歩いて向かう。
音倉ではステージの感触と音響の確認。
あとはなにもすることがないので、時間まで好きなことをしてすごす。

6時半、開場。
7時すぎ、開演。
げろきょ仲間ではずずこさんが駆けつけてくれた。
初の試みということでお客さんは少ないが、前半は朗読、怪談語り(野々宮も飛び入り)、ピアノ演奏とシャンソンなどもあった。

休憩をはさんで後半は我々のパフォーマンス。
シナリオはあるが、だれがどこをどう読むというのは最小限しか決めていない、即興的なパフォーマンス。
私の音楽ももちろん全編即興で、朗読のみんなとの濃密なコミュニケーションにそって進んでいく。
「いまここ」のマインドフルな感覚のなかで進む時間の楽しいのなんのって。
自分と出演者と観客に正直に、誠実に生きているという感覚そのものの濃厚な時間。

熱い拍手をいただいて終了。
ずずこさんからも熱烈な感想をいただいた。
それぞれ飲み物を注文して、乾杯。
メモ程度の簡易録画だったが、映像記録があるので、あらためてYouTubeで配信しよう。

特別講座:女性のためのセルフディフェンス入門は8月3日

Wen-Do(ウェンドウ)、ご存知ですか?

Wen-Doとは、女性だけで女性専用の護身をやさしく体験型で学べるプログラム。
1972年にカナダのトロントで生まれました。
数ある護身プログラムの中でも、Wen-Doは「女性の『声』を最大限に生かす」のが特徴です。

共感的コミュニケーションで自立した人間を育むことをめざす現代朗読協会として、
また音読療法を生んだ場として、「声を生かした護身術?」と以前から関心を寄せ、
3月に入門講座を行ったところ、大好評となりました。

8月の第2弾講座では、床技が中心となります。
公共施設での講座等にはなかなか入れられないものを扱えるのは、羽根木の家が築78年の古民家で、和室のある環境だからこそ。
再受講者も初参加者も興味深く新鮮な気持ちで学べそうな内容に今からワクワクしています。

パワフルなのにリラックスできるWen-Doの魅力を一緒に体験してみませんか。

■日時:H25年8月3日(土)14:00~17:00
   終盤の40分程度は質疑応答&懇親タイム
■受講料:5000円(懇親タイムの茶菓付き)
■定員:8名(高校生以上の女性)
■会場:羽根木の家
■お申し込みはこちら(現代朗読協会フォーム)から
またはinfo@roudoku.orgまで、タイトル「Wen-Do 8/3希望」としてお名前・連絡先をお知らせください。
おって詳細をお知らせします。

 

《Wen-Do(ウェンドウ)について》

パワフルでやさしい、女性専用の数種類の護身プログラムの中でも
Wen-Doは、女性の『声』を最大限に生かすのが特徴です。
一度参加した人は、永きに渡ってWen-Doの印象を忘れることはありません。

多くの女性の支持により、女性から女性へと大切に伝え続けられ、カナダでの女性向け護身プログラムとしては最古・最長の歴史を誇ります。

年齢や体力や体格や身体状態を問わず、女性なら誰でも行えるシンプルで安全な実技講習と女性のエンパワー要素が一体となっている点も大きな特徴です。

《どんな人が参加することが多いの?》

これまでに受講してくださった女性の受講動機と、
ご参加後のご感想を一部ご紹介します。

◆暴力や虐待等の予防/防止活動に関心がある
◆身体実技を学べる機会は貴重なので
→身体実技をほんの少し知っているというだけのことが、こんなにも自信につながり、暴力や不快な行為に対して「No!」と言いやすくしてくれるのですね。
→「問題の解決のためには、安心して考えられる環境や時間が必要。それを得るために逃げる時間を作る」という発想が受け入れやすかった。
◆依存や執着・不安や畏れから自分を開放し、主体的に生きたい
◆もっと自分を好きになりたい
→参加する他の皆さんの表情がどんどん晴れやかになっていって、それを見ている自分も、どんどん元気になれた。
→何をする講座なのかイメージができなかったので緊張して参加したが、楽しい進行で良かったです。
 時には考えすぎずに身体を動かせば、気持ちも前向きになれるのだとわかりました。
◆ボディワーク的なワークショップが好きなので、なんとなく面白そうだと思った
◆芝居や歌など、心に響くものや表現活動全般に惹かれる
◆『身体が弱くて運動が苦手』だった福多さんが、なぜこの道に進んだのかに興味があり参加した。
→お腹の底からの声を何度も出せてスッキリ元気になりました♪
→『声をあげる』ことの大切さは常々感じていましたが、Wen-Doで、声と呼吸と身体のつながりを教えていただき、科学的にも、ああそうだったのか!と納得しました。自分の声が一層愛おしくなりました。
→運動が苦手でも護身術は出来るのだということがよくわかりました。また、福多さんが
「自分のキャラに合う方法が一番大事。
 自分の全力を発揮するにはそれが最も効果的だから。
 今日も多くのことをやっているけれど、その中から自分にピッタリなものだけを選んでもらえたらと思う」
 と言っていて、無理に強くならなくてもいいのだと、気が軽くなりました。

《《《《《《《講師よりご検討中の皆様へ》》》》》》》

こんにちは。Wen-Doの福多唯です。
数ある学びの中で、「Wen-Doってなあに?」と思ってくださってありがとうございます。

私は、こんな仕事をしていますが、幼少期から(現在も)持病があります。
入退院を繰り返し、学校行事になると必ず持病の発作…。
プール授業には参加が許可されず、いつも見学。
高校受験の当日も、受験校の保健室で特別に受けました。

自分の生命力への不信感が拭えないまま大人になり、
『何をやっても私はダメなように生まれついている』。
そう思っていました。

自暴自棄になってみたり。人に対して威圧的・攻撃的になってみたり。
かと思えば、人から認めてもらえて好かれることへの執着のあまり、そのためだったら何でもします!みたいなところもあったり。

そんな私にヘルシーさを取り戻させてくれたものや人は数多く、自分で気づいていないものもきっといっぱいあると思うけれど、気づいている中で、太い柱のひとつになっているのが、Wen-Doです。

『私は、私が生きていくために必要なものを、最初から充分に持っていたんだ』。
Wen-Doでそれがはっきりわかりました。

女性の視点で、女性の思いや体験や身体的特徴に配慮しながら、
「女性がどうしたらもっと力を発揮できるようになるのか
を護身スキルを通じて実感しあうプログラム、それがWen-Doです。

Wen-Doにご参加の多くの女性が「心に残る時間が過ごせた」と笑顔になります。

声を出したり身体を動かしたりしながら、体験機会のなかなかない護身の実技を女性どうしで共有するのって、ちょっとスペシャルでとってもステキなひとときです。

皆さんとご一緒できるのを楽しみに思っています。

      Wen-Doマスターインストラクター 福多唯

〔メールマガジン(バックナンバー全公開)〕
 http://archive.mag2.com/0000215683/index.html
〔ブログ〕
 http://wendosd.exblog.jp/
〔FB Wen-Doグループ〕
 http://bit.ly/wendofb
〔FB 福多唯〕
 https://www.facebook.com/fukuyui

「朗読音楽」による板倉さん応援ライブ、濃密な時間だった

昨日は中野〈スウィート・レイン〉で、入院されている板倉克行さんを応援するための朗読音楽のライブだった。
参加者はアルトサックスとフルートの森順治さん、テナーサックスとバリトンサックスの近藤直司さん、ベースの日野了介さん、ドラムスが今竹一友さんと藤巻鉄郎さん、朗読が野々宮卯妙、そしてげろきょ仲間の照井数男、てんトコロ、山田みぞれ、藤森ケイも朗読で参加という豪華メンバー。

20時から始まった第一部は、朗読からスタートするつもりでなにげなく演奏がスタートしたのだが、いきなり興が乗ってしまって、私、今竹さん、日野くん、森さん、近藤さんの5人で一気に突っ走ってしまった。
記録映像を見たけれど、これははいりこめる余地はない(笑)。
そのあと、仕切り直しして、野々宮に朗読ではいってもらう。
この朗読がまたハードなアジテーションとなって、おもしろかった。
近く、記録映像の抜粋をあげようかな。

スタートダッシュがすばらしかったので、そのあと朗読と音楽が入り乱れて疾走する濃密なライブとなった。
一部、二部、そして三部までやって、終わったら23時すぎ。

昨日はとにかく、みなさんから「おもしろかった」という感想を連発してもらい、店の勅使河原さんからも「おもしろかったのでまたやろうよ」といってもらえたのが、私もうれしかった。

また、音楽陣からは「この朗読の人たち、すごいねー」といってもらえたのも、わかっていたことではあるけれど(笑)、うれしかった。

もともと、板倉克行さんにおもしろがってもらって、ちょくちょく音楽ライブに引っぱりこんでいただいたのが始まりだ。
これまでも時々やらせてもらっていた今竹さんもずっとおもしろがってくれていたけれど、昨日はとくにみなさんに確信的におもしろがってもらえて、げろきょとげろきょメンバーも日々成長しているんだなあと思えた。

ライブは終わったが、じつはここからなにかが始まりそうな予感がしている。
現代朗読は朗読の人たちに見てもらっても反応は薄いのだが、音楽をはじめとするほかの表現ジャンルの人たちに見てもらったとき、くっきりと濃い反応がある。
それはこれまでにも経験してきたことだ。
現代朗読はもはや朗読という狭いくくりにははいりきらない。
「朗読音楽」でいいんじゃないか。
昨日のようなメンバーでユニット化してライブをやっていくのもおもしろくないか?

などといろいろなことをかんがえながら、昨夜は眠りについたのである。
そして今朝は私のなかで具体的なものごとの感触が生まれて、始まろうとしているのを感じている。

山田みぞれがサラヴァ東京「ショーケース」に出演するぞ

もう明日7月30日(火)のことだが、渋谷のライブレストランバー〈サラヴァ東京〉でおこなわれる「ショーケース」というイベントに、げろきょゼミ生の山田みぞれがエントリーした。
私のテキストを読んでくれるというので、ピアノ演奏のサポーターとして私ものこのことついて出ることにした。

ショーケースはサラヴァ東京で月に一回やっているオープンマイクのイベントで、出演しなくてもただ見に来るだけでもいい。
チャージは1000円、ワンドリンク付きと格安。
だれでもふらっと遊びに来れる設定になっているし、場所も文化村の隣というリッチな立地条件。

開演は20時。
どなたも気楽にいらしてくださいませ。
詳細はこちら